日曜日, 5月 24, 2015

準備をしない研修会!?

コロンビアは一年中,早春~初夏もしくは早秋~晩秋を行き来する気候だから

オープンカフェ的な造りのレストランやカフェがいっぱい。

今日はちょっと気分がいいから,寄り道した近所のカフェ。

目の前の小さな公園まで運んでくれる。贅沢気分で ¿Cómo ha estado?


公園でMicherada(ミチェラーダ)を一杯。
いわゆるビールベースのカクテル。
ふちに塩をつけたグラスにレモンを絞っておく。
そこにビールを注ぐ。







気分上昇の理由。初めて台本なしでやった講座がとりあえず無事終わったから。

そこからの解放感。

























これまでは,話すことを必ずノートに下書きし,

カウンターパート(私の現地の相棒)か一緒に講座をする現地の人に

言いたいことを拙いスペイン語で説明しながら

書いた文章が間違っていないか,ちゃんと伝わるかを校正してもらっていた。

少人数での会議や活動など会話の中での話なら,

文法が間違っていようが,途中で単語が分からず辞書を引きつつ話そうが,

言ったことが伝わったのかどうか相手の反応が分かるし,

相手も分からなかったら質問で返してくれる。

引き受けたリコーダーの授業だって,演奏させたりドレミで歌わせたりする

時間があるし,4クラスで同じ授業をやっていれば

だんだんスペイン語もスムーズになっていく。

だから,事前に話すことの準備をしなくても何とかなる。

けれど,さすがにある程度の人数がいる中で

一応講師みたいな立場で実施する講座はそうはいかない。

会話と違って,自分の持ち時間が1~2時間あるわけだから,

ちゃんと準備をしなきゃそんなにもたない。

なかなかのボリュームの文章をスペイン語で準備するって,

これまたなかなかな作業だった。


Los quiero. ほんとに大好きな職場。
グループ長さんの誕生日会。(勤務中だけどね)
私はよそで仕事をするから不在が多いけれど,
ずっとココで過ごしていたいくらい大好き。

奥にいるのは,数学学部長さん。
みんなと同じ格好をしていてカワイイ。



一昨日(金曜)と昨日(土曜)の研修会は前々から,

カウンターパートと一緒に行くことになっていた。

大きな研修会では,時間も長いので分担して私も講座を持つけれども,

今回のような1つの学校で行うような内輪の研修会では,

カウンターパートたちと一緒に準備をして,当日は彼女たちが研修を実施する。

というスタイルだった。

何度か「Yumiもしたい?」と言われていたし,実際してほしそうだったけれど,

人材育成の面から考えて,あんまり私が前面に出てやるより

算数の授業の仕方や初等算数科教育の考え方を彼女たちに伝えながら,

一緒に講座を作っていき,当日は彼女たちが実施者,私は支援者という立場の方が

ここ任地の教育局がいつかボランティアから自立していくことを考えると,

そちらの方がいいと思って,断っていた。

もっとも,そんな上から目線はともに仕事をしていく関係においては

「何様だ」って感じなので,さすがに率直には言えず,

「あなたたちが伝えた方が参加者によく伝わる。

私はスペイン語がうまくないから。」と言って断っていた。

九九を活用し,〇がいくつあるか導き出す問題。
解き方は一つではない。
数を見方を豊かにするという目的の問題。
複合図形の求積の下地にもなる。
彼女たちが行う研修会の様子。
虫くい算の種類の紹介と解き方について。
参加者たちは、虫くい算との初めての出会い。
答えが1つに固定されるもの,
いくつか正解があるもの,
無限に正解が出るものと分類されている。

昨年,日本で算数の研修を受けた先生。
日本の学校生活の仕組みや
観察して感じたことを発表。

こんな問題も取り扱った。
同じく数の豊かな見方を育成する。
一方的に話者が理論や持論を話すスタイルの研修会が
大多数のコロンビアでは,参加型の研修会は珍しい。






でも,今回なんとな~くなんとな~く嫌な予感がして,

先週末,「ねぇ,ねぇ,金曜と土曜の研修って私も話すの?」って尋ねたら,

「うん。」だそうだ。

「うん。」って...。スケジュールを見ると,今週は火曜の午前しか空いていなかった。

当然だ。私の活動は研修の実施がメインじゃない。

小学校算数の教育課程・年間指導計画・教科書・教師用指導書作成が

メインの活動だから,そこに一番時間が割かれている。

研修は隙間の時間でやらなければならない。

火曜の午前中だけ?

たったそこだけで,講座のプレゼンを作りスペイン語の文章を考えろって?

いつ校正するんだよ。無理無理無理無理。

言ってみたけれど,今回は相手が引かない。

「大丈夫。私たち, Yumiの言ってること分かるから。

Yumiはスペイン語を上手に話してるから,大丈夫!

ノートに書く必要なんかないよ。そのまま話していいよ。

Yumi一人で行くわけじゃないし,私たちがいるし,ちゃんと助けるから。」

と,太鼓判を押されたのかそうでないのかよく分からないことを言われた。

くそぅ,私にさせたいから,そう言ってその気にさせようとしているくせに。と

内心思いつつ,根負けしてしまった。

彼女は9年前日本に赴き,JICA主催の算数教育の研修を受けており,

日本の算数教育にすっかり心酔させられているので,

私が任地にいる2年間,一秒たりとも無駄にせず私を活用させたいのだ。

確かに,その情熱は常に伝わってくるし,その期待もヒシヒシと感じる。

まぁ,その期待に応えて今回くらい前面に出てもいいか。

4時間のうち2時間は彼女がやるって言ってるし。

木曜まで睡眠削って,準備するか...。まず,プレゼン作って,文章を下書きして...。

何について話そうかなぁ。と覚悟を決めた途端,

コロンビアに来て初の体調不良の日々が続いた。




公園にいた小鳥。よく見かける。
あまり見ないけど
他に赤や青の種類がいる。
日本ではこんなカラフルな
野鳥は見ないよなぁ。































なぜか胃がもたれていて一つも食欲がわかない日々。

ほとんど食事ができなくなってしまった。

そのうち,カロリー不足からきたと思われる偏頭痛も出てきて眠れない。

睡眠を削るどころか,頭痛でパソコンに向かえないし,

まずは体調を整えることが先決とベッドで横になっても痛くて眠れない。

準備どころではなくなってしまった。

結局,唯一空いていた火曜の午前も何もできなかった。

仕方ない。

スペイン語の文章を書くことは諦め,何も見なくてもなんとかなる方法を考えた。

一番やり慣れている方法が一番どうにかできるよな。





授業か...。






やっぱ算数の授業だよな...。







だよな。どう考えても。






よし,先生たちに子どもになってもらって算数の授業をしよう。

これなら,考える時間を与えたり,自分の考えを説明してもらったりするし

こちらが質問して発表してもらうなどのやりとりがあるから,

なんとかなるかもしれない...。授業を2時間分やればいい。

なんと言っても,先生たちに日本の授業の仕方を体験してもらえるし,

カウンターパートも日本で研修をした時は日本語で授業されているのを

見ただろうから,スペイン語でやればより仕組みがわかるだろうし。

これまでにずい分説明して日本の算数の授業の仕組み方が

だいぶん分かってきた今見れば,いろんなことがつながってくるだろう。と。

授業をしつつ,授業の仕組みや日本の先生がやることを説明していこう。


研修中の先生たち。みんなとっても熱心。
参加型の研修会にするとスマホをいじる人もいなくなる。
そんな暇は与えませんよ(笑)
意外と論理的でない考えを発表する先生もいて,
それでは子どもたちが混乱するとか反対意見が出て議論が白熱する。
話者そっちのけで,参加者同士で議論が始まるから面白い。
予定の研修内容が終わらないこともあるけれども,
「子どもたちだったら」という視点でよりよい方法や考えを議論していく姿勢が
授業改善には大事だと思うから,こういう議論が出てくることこそ大事だと思っている。
そして,こうやって子どもたちためと議論することがとても大事だと付け加える。





カウンターパートには,ホントに親身になって体調を心配してもらい,

(胃に効くと言うニンニクのサプリみたいなものを毎食後もらった。

 今度,一瓶プレゼントしてくれるという)

なんとか,前日に授業で使う教材だけは準備し,当日を迎えた。

完全ではなかったけれど,ありがたいことに体調も快方に向かっていた。





金曜の研修は,先生たちに。土曜の研修は,教員志望の学生たちに。

経験者と未経験者なので,先生たちには説明を加えながら,

学生たちには純粋に授業を体験してもらうということを目的に

何とか講座を終えた。

ところどころ,カウンターパートの手助けが入りつつ,初めての台本なし

奇妙なスペイン語での講座が無事終了。

体調のせいもあるが,やっぱり2回目の方が余裕も出てくる。

ちょっと笑いもとりつつ,進められた。







講座の内容は,2年生の「2桁のたし算の筆算」

筆算で初めて繰り上がりが出てくる場面だ。

日本では,どうやって筆算の仕方を教えているのか。

ということを知ってもらうことが講座のねらい。

予定では,「ひき算の筆算」もするつもりだった。

この単元で子どもたちが一番苦戦する「102-27」とか「104-38」とか

十の位が0になっているひき算だ。

でも,説明したり途中で質問に答えたりしていると,

1つの授業で講座は十分もった。

その上,繰り上がりのたし算なんて簡単過ぎるかな思っていたけれど,

先生たちが繰り上がりの処理の仕方を図に表すことに戸惑い,

十分手ごたえのある問題だったようだ。

正直に言うと,小学校の先生たちの算数の知識はかなり厳しい。

分数のかけ算わり算の仕方は,大部分の小学校教員志望の学生が分かっていない。

もちろん,小学校で教える内容だ。

今回,研修に選んだ「たし算の筆算」は,答えが出せないものでもなく,

でも計算の仕組みを図で表すということではちょっと手ごたえがあり,

授業を体験するという意味では,ちょうどよかったのかもしれない。



講座が終わった時のホワイトボード。
今回は授業をしたので
そっくりそのまま授業の板書である。




終わってから,今度はひき算の教え方をやってくれ。

と伝えに来てくれたり,

前学年の学習が身についていない子にはどうやって対処しているのか。

と質問しに来てくれたり,

キンディーオ県で私が子どもたちへの授業も支援していることを知ると

うちの学校にも来てほしい。

と言ってくれたりして,

まぁ感触としては好評だった。と捉えていいのかなと思っている。

参加した先生たちが
研修内容を書いてくれたノート。
きちんと書き留めてくれていて嬉しい。
学生も真剣に講座に参加してくれた。






実は,研修の前日,いつもの通り午前中に支援している学校に行ったら,

急に子どもたちに授業をすることになった。ホントに突然,頼まれた。

この子たち(5年生10人程度)一桁の割り算も難しいから別室で教えてくれ。と。

この時は,ホントに一人。

ここが,本当のコロンビア初の授業デビューだった。

こう言っちゃ子どもたちに悪いけど,講座のいい練習になった。




子どもたちとの授業も含めてここ3日間,

急に降りかかった台本からの卒業だったけれど,

カウンターパートの助けに感謝しつつ,

私のスペイン語でも意外となんとかなるもんなんだな。



なんだこの偉そうな私の態度。
いつこんな恰好で話してたんだろう。ちょっと気をつけよ…。







そう思いながら,最初の写真,公園でのひと時となるのである。



出来具合を見て,次の話し合いの土俵に
乗れなさそうな参加者がいたら,
どう考えればいいのか説明しながら,
どんな考えを使えばいいのかという所まで
気づかせておくことも,
個人作業中の参加者の間を回る意義の一つ。
授業でも同じ。
研修を行う彼女たちは中学校の先生だから,
私が彼女たちの授業を観ることはないけれども,
こうやって授業中も
子どもたちにやってくれているといいな。

授業スタイル研修を行う彼女たちに
すっかり身についた個人作業中の観察。
参加者の出来具合を見て,
都度,内容を小修正する。
計画以上にもっと丁寧な説明を加えるか,
思ったよりも簡単そうだから全部説明させようとか。
また,問題の考え方の共有化を行う時の
土台になる考えをいくつか選んでおく。
授業での先生の,目に見えない役割の一つ。



















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