日曜日, 1月 18, 2015

活動の始まり


 彼らは,課題意識を持っている。
 
キンディーオ県の算数教育を変えようとしている。
 
同僚たちは,そのために存在しているグループなのだ。
 
「聞きたいことがあったら質問してくれ。」
 
「気がついたことがあったら言ってくれ。」
 
必ず,会議の前に言われる。
 
帰り道に何気なく話していた日本の学校の話も
 
Yumiがこう言っていた。」と,議題にあがることもある。
 
 
 
 
 
 
大学が開発しているソフトウエアの一つ。
これは立体図形の学習用
 休暇前,彼らと協力して大学の数学科が
 
開発しているソフトウェアの中に,

 代数幾何の式の成り立ちを

 可視化した問題があった。
 
「私は公式を覚えることでしか
 
  解いていなかった。今はじめて仕組みを知った。

  中学生の時に知りたかった。日本の中学校にもあったいいのに。」

 と感心していると, とても喜んでいた。
 
「動画に撮るから,もう一回言って。」と頼まれるくらいだった。
 
そして,
 
「このソフト,あげるよ。日本に戻った時,使って。」と言ってくれた。

 
 
 
 
 私のアルメニア着任は,非常に時期が悪かった。
 
 アルメニアに着いた翌週の11月中旬,公立小中学校は,
 
クリスマス休暇を兼ねた学年終わりの休暇に入った。
 
そして,現在の1月中旬まで休みである。
 
来週,新しい学年の始まり。やっと学校が動き出す。
 
主活動には,着手どころか見ることすらできていない。
 
 

5年生,今日はPCソフトを使った復習問題に取り組む。
 
 

日本だと,この一本指には
意味がありそうだけど。
  それでも,着任した週になんとか一度だけ,
 
練習問題を解く時間だったが,

 授業というものを見る機会があった。
 
現場の先生たち,授業を受ける子どもたち。
 
「そうか,この状態なのか。」と気がついたことは

 たくさんあった。
 
しかし,仲間に全てを伝えるのはまだセーブしている。
 
見たのは一度限りだ。
 
彼らとの関係づくりが先だ。
 
私のスペイン語は,きっと直接的な言い方だ。
 
柔らかい言い回しなんか分からない。
 

文字や図が小さいんだよね。
後ろの子たち見えてるのかな。
 本人たちが課題と認識していても,

 ひょいとやって来た他人から
 
 「なぜ,こうなっているんだ。」
 
「先生たちは,こういうふうにはしないのか。」

 と,ダイレクトな言い方で欠点ばかり

                言われれば,誰だって
 

子どもの集中力が短いのは,
世界共通かな。
「そうは言っても,こうだから
 
 仕方がないんだよ。」と
 
言いたくなるだろう。
 
 自分たちががんばっているからこそ,
 
自分たちには変えられない国の制度の
 

ピースしてる場合じゃないでしょ(笑)
日本にもいるな,こんな子。
可愛いんだよね。
担任だと注意したくなるけど。
 せいにしたり,子どもたちの
 
 よくない環境のせいにしたりしたくなる

  かもしれない。
 
 やってもやっても現状がよくなっていく
 
 実感がもてていないと,
 
 手の届かないところへ原因を

                 持っていきたくなる。
 
                 それが人情というものだ。
 
              事実,制度や環境が一因という側面もありそうだ。
 

授業とお掃除が同時進行(苦笑)
そりゃ,お掃除 気になるよね,うん。
しかし,自分たちの範疇を超えたものが
 
一因になっているとしても,
 
自分たちの手の届く範囲の中で

 変えられそうなものに着手し,

 根気よく改善していくのが

 教育の仕事というもの。

犬の昼寝も同時進行(笑)
 
 せっかく私がやって来たことでモチベーションが

 高まっているところだ。
 
 欠点ばかりを伝えて

 今のやる気を削ぐようなことはしたくない。
 
 だからと言って,気がついた点を言わないわけでもない。
 
彼らは私から日本の教育を学びたいと思っている。

 それを強く感じる。
 
まだ2年間も互いの関係も始まったばかりだ。
 
さじ加減が大切な時期だと思っている。
 
まずは小さなことでも良い部分をたくさん見つけて伝える。
 
「あの先生のあれはよかった」とか
 
「あのクラスの子どもたちのああいう行動はいい。」とか。
 
課題はすぐに変えることができそうなものを

 一つ伝えることにしている。
 
出会いはとても大切だ。この先の活動に大きく影響する。
 
 
 
 
 
 しかし,いずれ私の着任は日常と変わっていく。
 
果たして今の高いモチベーションは継続されるのか。
 
今の盛り上がっている時期は実は貴重なのかもしれない。
 
タイミングはとても大事だ。
 
 

 
 
そんなことを思う休暇最終日の朝。



子どもたちのこんな表情が見たくて。










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