私は現在,首都ボゴタを離れ,任地のキンディーオ県アルメニア市にいる。
2年間の活動が始まったのだ。駒ケ根の訓練所で一ヶ月,
自宅に戻ってWeblessonが約一ヶ月,
そしてコロンビアの首都ボゴタで一ヶ月,約3ヶ月の訓練が終わった。
11月10日,私はアルメニア市に着任した。
国内3大コーヒー豆産地のキンディーオ県 |
私は,いつも周囲に恵まれている。今回もそうだ。
もう仲間と呼べる人たちがいる。
彼らの話は概要しか理解できないが,とにかくよく話しかけてくれる。
「家族が恋しくない?」と心配してくれる。
いろんなことを教えてくれる。
困ったことが起こるとすぐに動いて対処してくれる。
たくさん褒めてくれる。
(ちょっと子どもみたいだけど,これが意外と大きな安心をもたらす。)
いつも私が大丈夫か気にかけてくれている。
出勤すれば「Yumi Yumi Yumi Yumi Yumi Yumi・・・‼‼」
(こちらでは私の名前はジュミ。彼らにとってユとジュは同じ音となる。
わたしたちのLaとRaのように。)
私は「Si Si Si Si Si Si Si Si・・・‼‼」と返事。早口対決。
そして,みんなで笑い合う。私へのお決まりの挨拶だ。
たまに私は相手の名前で応戦する。
しかし,彼らの名前は大抵長い。
私が勝ったためしはない。
赴任の日,たくさんの風船の飾りで迎えてくれた |
ケーキとジュースまで用意してあった |
彼らは粘り強い。
私と話すのは,おそらく彼らにとって面倒なことだと思う。
会話を楽しむには,テンポが大事だ。
発したことにいいタイミングで返しが来るからこそ話が弾むし楽しい。
しかし,私とはそうはいかない。
軽く投げてみた言葉が,私にはよく理解できず悩ましい顔で返したりする。
そんなに言い直す内容でもないのに,
くりかえしたり簡単な言葉に変えたりしなくてはならない。
自分が反対の立場だとすると…と考えてみる。
ちょっと頭を使う会話だなと思う。
でも,私は一度も「分からないなら,もういいよ。」と言われたとか
「仕方がないな」みたいな顔つきや身ぶりをされたとかそういうことがない。
私に話しかける時は,みんなちょっと考えてくれているのが分かる。
小首を傾げ,目線が宙にいく。
最も単純な言い回しを探しているのだろう。
質問したい時には,少し息を吸って一語ずつはっきり発してくれる。
会話の流れでネイティブに話すように私に尋ねてしまうこともある。
そんな時は,私はお願いのポーズを作り「もう一回言って。」と
ふざけて大げさに懇願する。
彼らは,大笑いしてゆっくり繰り返してくれる。
こんな状態だが,いつもよく話しかけてくれる。
一人でPCを前にプレゼン作りをしていても誰かが私に話しかけ,
そのうち他の人が入ってきて
いつの間にかみんなで輪になって世間話に花を咲かせているほどだ。
本当にありがたい。
私は,ここの生活について何一つ不安に思うことなく済んでいる。
彼らのおかげだ。
とにかく,私は今,感謝の気持ちでいっぱいだ。
それを伝えたくて仕方がないから,
数少ない言葉と語調と身ぶりと表情を駆使してとにかく全身で表現している。
彼らは「あぁ,Yumiありがとう。」と抱きしめて
私の頬に頬を寄せたりキスしたりしてくれるけれど,
私がこの胸に抱いている強い感謝の気持ちは言い表せていない。全然たりない。
私の頬に頬を寄せたりキスしたりしてくれるけれど,
私がこの胸に抱いている強い感謝の気持ちは言い表せていない。全然たりない。
それが本当にもどかしくて悔しい。
あぁ,もっとスペイン語を上達させたい。
私は,これから2年間ともに課題に取り組んでいけそうな仲間に出会った。
ここアルメニアに来て,活動する動機が私の中で変わった。
より具体的にそして強固なものになった。
見知らぬ私を温かく受け入れてくれ,
当たり前のように手を差し伸べてくれるそんな彼らだからこそ,
ともにいい仕事をして,彼らの温かい気持ちに返していきたい。
ゆみさん、とてもとても共感した!私は言葉が分からなくて、バカにされることもあるけど、あたたかく私を受け入れてくれてる周りの人に、本当に救われてる。感謝したいけど、言葉が足りなさすぎる!いつか形で返していけたらと思っています。
返信削除>Satokoちゃん コメントありがと★
返信削除私もSatokoちゃんの記事を「あ,おんなじこと考えてる」とニヤニヤしながら読みました。違う国だけど,世界のどこかで似たようなことを感じている人がいると分かるのはホントに励みになります。ここアルメニア市で日本人一人で暮らしてると(正確にはほぼ会わない残り任期の少ない先輩隊員がもう一人),心強く感じます。お互い,いっぱい助けてもらって活動を楽しもうね。