日曜日, 10月 11, 2015

アルメニア祭りー10/10/2015 初日ー

ただいま日本は体育の日で3連休。

コロンビアも(中南米の多くの国も),民族の日で3連休。

民族の日という呼び方はコロンビアだけだけど,

他の中南米の国もそれぞれ違う呼び方で

同じ意味の祝日を過ごしていると思う。

民族の日とは,コロンブスがアメリカ大陸に到着した日。

ここから,中南米の植民地支配の歴史が始まる。

国によって,その感じ方はずいぶん違うらしいが,

私の身近にいる人たちはどう感じているんだろうなぁ

と,思ったりする。

そんなコロンビアからBuenas tardes.











でも,

ん?接続詞「でも」で適当かな?

でも,任地アルメニアはこの3連休は

市をあげての最も盛大なお祭りの真っ最中!

Fiestas Cuyabras(フィエスタス クジャブラス)

ちょっと意訳するとアルメニア祭り!

初日の昨日,さっそくメインの

Desfile de Yipao(デスフィレ デ ジパオ;ジープ行進)が

街なかを練り歩いた!







 お祭りに露店と警察がつきものなのは,どこでも一緒。

コロンビアでは,露店と言っても売り歩いているからもっと便利。

でも,コロンビアはいつでも路上に露店と警官がいるし,

首都ボゴタでは見なかったけど,ここでは日常でも昭和の

お豆腐屋さんみたいに鈴や声をあげながらアイスやコーヒー,

ついには箒やモップなども売り歩いている。




まぁ,お祭りになると露店も警察もいつも以上にいるよね。





カウンターパート(現地の相棒)から

「Yumiんちの近くはもうすぐよ。今,ウチのとこ通ってるから。」

と電話をもらって,大通りへ出て待つこと20分。

遠くから演奏が聞こえてくる。







来た!来た!来た!

行進の先頭はマーチングバンド。








コロンビアでいくつかお祭りに行って行進を見たけど

必ず先頭はマーチングバンド。コロンビアの定番みたい。

そう言えば,キンディーオ県(アルメニア市がある県)の全小中学校が

この1週間お休みだった。これに合わせて休暇の時期にしてるのかな。

キンディーオ県他市の先生たちは子どもが休みでも出勤してたけど

アルメニア市に至っては,先生たちも休みだったもんな。

お祭りの準備がある子どもも先生もいるだろうしね。
 
  
 
 
 
 
 
最初は,農家の引っ越し!
 
 
この地域独特の引っ越し風景なんだよね。
 
ジープに家財全て積んで引っ越すの。
 
 

ジープの上,犬が乗ってる。名前はマテオだって。
もう長い時間,行進につきあって眠りこけてたよ。
「マテオ!」って呼ぶと目を開けてこっちを見てくれる。とってもお利口さん。

ジープの後ろ。ゲージに鶏やあひるがいる。小さなブタや犬がいたジープもあったな。




 
一度,本物の引っ越しているジープを通りで見かけたけれど,

もっとおもしろかった。

山積みの家財にイヌと鶏がそれぞれ布袋に入れられて

ブランブランとぶら下げられてたんだよね。

イヌも鶏も顔だけちょこんと出して大人しくしてた。

それが遠くへ小さくなって去っていく光景は,

何とも言えないのんびりしたほっこりした気持ちになった。

唯一の心残りは,写真に収める間もなく去っていったこと。

あんな風景にまた出会えないかなぁ。



Platano(プラタノ);料理用バナナを積んだジープ

コーヒーの苗

竹細工。後ろの荷台でおじさんが実演してた。写真,撮れなかったよ~。


木炭

香草類。もはや積んでるだけではない。デコってる(笑)
しかも盛りすぎw

コーヒーの木

サトウキビ。余談;もうサトウキビって言葉が出てこない。
カーニャ(サトウキビのスペイン語)って思っちゃう。
日本語でなんて言うだったっけって,いつも悩む。今も悩んだ。
 
コーヒー豆でデコってる(笑)

お!ちょっとシャレた積み方してんじゃーん。オレンジ。

Platano 行列

ジープに乗っているのは生産者。積んでいるのは自分たちが生産した物。






今年の良質コーヒー豆農家たちの行進もあった。そりゃ,誇らしいよね。

なんてったって,コーヒー豆生産地帯と呼ばれる中での

良質コーヒー豆なんだもの。良質の度合いが違うよね。


「良質コーヒーの積荷」とプラカード。
プラカードも行進の祭りでは必ずあるなぁ。
だから,ここから何が行進するってよく分かる。


心なしかジープもカッコイイ気が...




ここまで見てくると分かるように,

アルメニア祭りは地元の生産物,そしてその農家を称えるお祭りなのだ。

ジープに載せるってのだって,コーヒー農家に欠かせない働く車だからだ。

Cafetero(カフェテロ);コーヒー地帯と呼ばれるキンディーオ県の

県都アルメニアを象徴している。

お祭りの時の伝統の服。今日はお姉さんも着飾って。
 
こんな農家のおじいちゃんもいた!ノリノリだ!
 
はにかみながら手を振る少女がかわいい。
 
この辺りは目の保養w
 
 
 
 
 
 
 
「生産物」ってことに便乗して,店舗も宣伝ついでにジープを出す。
 
個人店舗から全国展開をしている店舗まで。
 
さすがにチェーン店舗は派手。
 
 

 
歯科矯正の歯医者さん!
たしかにある意味,ゴミもアルメニアの生産物である。
風刺が効いてるなぁ。
これは子どもや家庭,女性の支援をしている社会法人が出したもの。
 
町の自転車屋さん。
 
 
 
 
 
 
 
 
そして,みんなが一番楽しみにしているのがアクロバットジープ!
 
 
前輪を上げて,後輪だけで進んでいく。
 
 
 
 
 
 
 
後輪も片方ずつ動くようになっているのか,
 
右回りに回転・左回りに回転と自由自在。
 
観客から歓声が上がりあちこちから口笛が鳴る。
 
どういう仕組みか分からないけど,
 
そのうち運転席から離れてグルグル回り続けるジープの上に
 
立ち上がったり,前面に回り仰向けに宙ぶらりんになって
 
振り回されたりする曲芸を始める。
 
そのたびに観客席から甲高い口笛が鳴る。
 
ビデオじゃ宙ぶらりんの曲芸部分がちょっと映ったかと思うと
 
切れちゃってるんだよね。残念!
 
 
 
 
 
これも操作しているのは普通の農家さんたち。
 
きっと農家さんたちの遊びとか腕の競い合いとかから
 
始まったんだろうね。
 
 
 
 
 
感慨深かったのは,中年と言われる年代のアクロバットと
 
若者のアクロバットのちがい。
 
 
 
若者のアクロバットは,machete(マチェーテ)と呼ばれる幅広の剣を持って
 
ジープに自分が振り回されている時に路上に剣を当てて
 
火花がでるようなおもしろい曲芸をしたりして工夫されてるんだけど,
 
やってる顔がとっても必死。
 
ジープの上に上がってポーズをとるのも一瞬。
 
ジープがいつまでもグルグル回るわけではないのか,
 
素早く曲芸をやっていかなくちゃって雰囲気がにじみ出てて
 
次への曲芸に移る時もちょっと焦ってる。
 
終わったら乾いた唇を舐めたりして,
 
あぁ,ほっとしたのと得意げと,入り混じってるんだなぁと
 
思えて,その必死さがなんとも可愛らしい。
 
 
 
 
一方,おじさんたちの曲芸はみんな同じような構成だけど,
 
ゆとりがある。
 
ジープの上で立ち上がってポンチョや帽子を振り回して
 
観客の声援に応えてる。
 
だから,さらに観客の声も一層高くなる。
 
グルグル回るジープから降りる時も余裕,
 
それに再び乗り込む時もジープが来るのを待って
 
ひょいと乗り込む。
 
あんまり余裕しゃくしゃくなんで,実はいつまでもジープって
 
回るんじゃないの?若者は何をそんなに急いでんだろうって思う。
 
 
 
 
 
うーーーーーーーーーーーーーーん,年季の差だな。
 
 
 
 
実際は,ずっと回り続けるのか
 
若者のように急がないと止まったり
 
態勢が変わっちゃったりするのか分かんないけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
普段から私の周りにいる人は

キンディーオ県がコーヒーで有名であることや県産のコーヒー豆を

誇りに思っているし,プラタノ(料理用バナナ)やバナナは

他の地域より甘いんだよ!って私に自慢してくる。

街なかをちょっと外れて車で出かけると,

通り過ぎる畑を指さして,

「ほらYumi,コーヒーの木」「これ,プラタノ。」と

何人の人が誇らしげに私に教えてくれたことか。

中には,教えたことを忘れているのか,何回も教えくれる人もいた。

おかげで,遠くからでもこれコーヒーの木だって分かるようになった。

プラタノの木とバナナの木はまだ見分けられないけど。








日本のお祭りだって,むかーしむかしは地元の生活を表していたはず。

でも,いつしか生活の方がどんどん変わっていって

お祭りの意味が生活と遠くなっちゃった気がするな。

例えば,福岡の博多祇園山笠も

きっと今以上に多くの地元の人と近かったはずだ。

今でも,山を舁く人(山笠用語;山を舁く(かく)=山を担ぐ)やその家族,

準備に携わる人など一部の人には

生活と密着した感覚があるかもしれない。

けれど,地元の私たちですら,

山笠で「あぁ本格的な夏が来るなぁ」って季節を感じるくらいで,

見るだけのものになってる気がするんだよね。

櫛田神社への奉納行事ってぐらいは知ってても

観光客となんら変わりない。すごーーい!迫力あるねぇ。で終わっちゃう。

ゴールデンウィークで全国1位の人出になる

港まつりどんたくに至っては,もはや意味すら分からない。

どんたくの語源の説くらいは知ってるけど。

東北で行われている芋煮会とかは,もっと近い感じなのかな。





なにしろ,この行進を見て改めてキンディーオ県は第一次産業だ。

と思った。きっとコロンビアの多くの県が第一次産業だろう。




日本はすっごいハイテクだ。とたくさんのコロンビア人から

羨望のまなざしと言葉をもらう。

確かに日本は技術発展していてそこは誇っていいトコだと思うけど,

この行進を見て第一次産業と遠い生活をしている日本を

少し寂しく感じた。

そのせいか,この,ジープに乗る誇らしげな生産者たち,

それに歓声の声をあげる観客たち。

地元を愛する,誇りに思う光景に触れ,不覚にも目に涙が浮かんだ。





変な表現だが,きれいに泥だらけに汚したジープを何台も見た。
働くジープは汚れることを表すためにわざと汚してきたんだろうが,
泥の汚れすら誇りなのかもしれない。

2015年のアルメニア祭りの情報;http://www.cronicadelquindio.com/noticia-completa-titulo-hoy_ser_el_28_desfile_del_yipao_cuyabro-seccion-la_ciudad-nota-92670.htm



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1 件のコメント:

  1. 2018年末にこのコメントの町、アルメニアに住むことになりました。このジープの祭りを見たけど、素朴な催しで感激です。

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